問題の解決は、何処に見いだせるか?

 コーカサス問題の解決が困難なのは、一つに大部分のコーカサスの指導者たちが、以前の共産党員たちであることだ。これら
マルクス主義者たちは、一夜にして民主主義者に姿を変えた。これらの新しい民主主義者は、自分の民族に尽くすべきところを、
古い共産主義者としてモスクワの意を汲む政治を行っている。こうしてロ シアは容易に彼らを操っている。

コーカサス問題の解決法: それはロシアの影響からの脱却である。

 それには先ず、全ての指導部を変えねばならない。旧来の共産主義者を新しい人々に替え、コーカサス民族の指導者会議を
組織し、その中で挑発者をあぶり出して追放しなくてはならない。

 50以上にわたる民族集団を結びつける、アルタナティブなものとしてはイスラームしかない。たとえばダゲスタンではイスラームの
基盤は強くないように思われているが、全ての民族集団に共通して受容されており、民族対立の激化を防いでいる。

 もし、コーカサスの民族対立の根源が歴史の彼方に去ったと見なしたら大きな過ちを我々は犯すことになるだろう。全てのコーカサス
の戦争において、宗教は第一義的な役割を果たしてきた。全てのコーカサスのムスリムは常に非ムスリム教徒(ギャウルィ))と戦って
きた。そして歴史上コーカサスのムスリム同士が敵対しあったという直接・間接の事実はない。

 コーカサス戦争の
400年にわたって、イスラームは諸民族を占領者に向かって奮い立たせ、団結させてきた。もしもイスラームの真理が
コーカサスに活かされるなら、今日の問題の人為的な実態が明らかになるだろう。そしてコーカサス諸民族の兄弟としての団結が強め
られるだろう。コーサスにおけるイスラームの確立がコーカサスに平安と安定をもたらす最短の道であることは疑いない。