チェチェンへの旅 2008年秋

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国立子ども病院(2008年当時) グローズヌイ南郊、チェルノレーチエ村。チェルノレーチエ村とその東に隣接する
ノーヴイ・アルドゥイ村の間には、グローズヌイに水を供給する人工湖がある。そこにリゾート施設としてツーリスト
ホテルがあった。大きな戦災を免れたので、このホテルが臨時の子ども病院の病室に転用され、わきに2階建ての
管理棟が新たに建てられた。「オペレーション・スマイル」のチェチェン・ミッションの口唇口蓋裂児童への無償修復
手術は、ここで実施された。



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国立子ども病院院長、スルターノフ博士。今、あたらしい子ども病院を建設中だという。彼は、小児医療の専門家で、
マスハドフ政権の下でも、カディロフ政権の下でも、保健省次官の立場にもある。私を歓迎して、執務室でウォッカで
乾杯してくれた。そこで彼は、戦時の爆撃で同僚や部下の医師や看護婦を沢山失ったと語ってくれた。身の危険が
迫っても、医師も看護婦も多くは持ち場を離れようとはしなかったのだ。貫通爆弾を病院に落とされ、地下室で手術
していた医師たちまで殺された。

そして避難回廊か開設され、病院自体がイングシェーチアに避難することになったが、避難回廊を移動中の一般
市民に、構わず空襲、機銃掃射と爆撃が行われ死傷者が続出、バラバラになって疎開中の医療関係者をかき
集めて、西部の村の学校に、臨時病院を開設して、治療にあたったことを話してくれた。

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